一般的にはドリルねじと呼ばれます。ねじの先端部分にドリル刃先を有することにより、厚み1.6ミリ以上の鋼板に対し、穴あけ・タップ・締付けがワンタッチでできるねじです。
ねじの先端(ポイント)にジャックナイフのような切れ味の鋭い刃先を有し、今やロングセラーとなったジャックポイントはドリルねじの代名詞となっています。

■別称 〈テックスビス ドリルビス セルフビス 鉄板ビス 等〉


建築板金外壁、屋根工事などで軽量型鋼(C型鋼)厚さ1.6ミリ以上の下地材に金具、木材等を下穴なしで取り付ける際に使用します。


取り付ける材料の種類や形状によって、ラッパ頭・フレキ頭・モドトラス頭・ナベ頭・サラ頭・6カク頭等の使い分けができます。

ねじ山は基本的にタッピンねじの規格と同じですが、用途によって特殊なねじ山形状のものもあります。


・鉄(アルミキルド鋼1018A)
・ステンレス(マルテンサイト系SUS410)
・18-8ステンレス材使用ジャックスター


取付物の厚み+下地の厚み+10mm〜14mm(4mm径で約10ミリ、5mm径で約12ミリ、6mm径で約14ミリ)の長さのねじを使用します。
リーマーねじはリーマー部分の長さ(4mm径で約3ミリ、5mm径で約5ミリ)をさらにプラスしてください。(参考:技術情報〈ねじ長さの選定について〉)


ジャックポイントをねじ込む時、先端ドリル部が鉄板を貫通したら非常に軽く回ります。押える力や回転をゆるめて、ゆっくりとねじ込んでください。最終締め付けは、強過ぎると頭飛びなどの原因になります。特にインパクトドライバーを使う時は、最終締め付けを寸動で行ってください(寸動とはインパクトドライバーを断続的に少しずつ回転させること)。インパクトドライバーの最大トルクは、φ3.5ジャックポイント破断トルクの40倍以上あります。

■ジャックポイント各種トルクデータ(単位:N・m)
材質 SUS410
呼び径
φ3.5 φ4 φ5 φ6 φ3.5 φ4 φ5 φ6
ねじ込みトルク 0.7 1.8 1.4 1.5 0.7 1.3 1.4 1.3
適正締付トルク 2.0 4.1 5.9 12.5 2.6 4.3 6.1 15.2
破断トルク 3.4 6.9 9.9 20.8 4.4 7.2 10.1 25.4
参考:インパクトドライバーのトルク
インパクトドライバー14.4V 最大トルク(N・m) 145



ステンレス製ジャックポイントの材質はSUS410、仕上げはパシペートを標準にしています。SUS410は磁性がある(磁石に付く)ので事前に材質承認が必要な場合があります。また耐食性もSUS304やSUSXM7に比べると劣ります。海岸近くなどで使用する場合、かなり早期に錆が発生することがあります。使用環境に応じて特別な表面処理をお薦めします。

■仕上げ別耐食性の目安

※ラスパート、ディスゴの塗装皮膜が厚いため十字穴詰まりの可能性があります。

(注)受注生産で標準品の仕上げを高耐食の仕上げに変更できます。その他ダクロ、ジオメットなどの特殊仕上げについても各営業担当者にご相談ください。


■ヤマヒロの呼称…三価クロムのめっきをヤマヒロでは処理方法により下表の名称で呼びます。

めっき呼称 意味 代表品種 外観色 耐食性・ねじ込み性
三価ユニクロ 三価のユニクロ ジャックポイント
コーススレッド
従来のユニクロ
と同じ色
従来のユニクロと
同等
三価クロメート 三価の有色クロメート ALC用ジャック
ポイント
三価ユニクロ
より白っぽい色
従来のイエロー
クロメートと同等
三価シルバー 三価ユニクロの上に
フッ素塗装したもの
ビスコン シルバー色 従来のシルバーと
同等

■パッケージ表示…ヤマヒロの三価クロム製品には下のようなパッケージ表示があります。




こちらの「ねじ止め作業のコツ/下穴を開ける場合」をご覧ください。